プチコン3号＆BIGまとめWiki

「まんざいファイル」レクチャー

この説明書では、「漫才プレイヤー」で読み込める「まんざいファイル」の作り方や活用についてレクチャーします。

■テキストファイル変換
まずは何より、漫才やコントの台本となるテキストファイルを作成してください。
面白い漫才の台本を考えるのは大変だと思いますが、ファイルを作る作業自体は、簡単です。
好きなプログラムスロットに、ふたりの会話を1コメント1行で打ち込んで、普通のプログラムと同じように保存するだけです。
A「あつはなついねー」B「なつはあつい、でしょ！」という台本なら、例えばスロット1に、

あつはなついねー
なつはあつい、でしょ！

と2行打ち込み、「SAVE ”PRG1:NATSU”」などと保存するだけです。ファイル名は何でも構いません。

なお、どうしてもネタを作れない！とか、作れるけど面倒！ということでしたら、練習用の「TEXT_SAMPLE」というテキストファイルを同梱しているので、それでお試しください。

テキストファイルが用意できたら、「_MANZAI_EDIT」を起動してください。
読み込むスロットは、1以外なら（1は処理で使用するので）どこでもいいですが、通常は0が望ましいでしょう。
後は求められるままにテキストファイルを指定し、適当な名前で保存すれば、一応は「まんざいファイル」の完成です。

一応、と言うのは、あくまでも機械的な変換なので、このまま「漫才プレイヤー」で再生しても、キャラ2人が交互に淡々と話すだけなのです。
これを意に沿ったやりとりにするためには、手作業による調整が必要となります。

■「まんざいファイル」の調整
では、「まんざいファイル」の調整について説明します。
ここから先は、「まんざいファイル」の1~12行目までを「パラメータ部分」、13行目以降を「会話データ部分」と分けて説明します。

・パラメータ部分
1~12行までは、REM(’)文や行間も、意味のある大事な要素です。
消したり、改行を増やしたりすると、正確に動作するファイルにならないので、まずはそこを注意してください。
パラメータを変更するために手を加える行は、4行目、6行目、8行目だけです。
では、それぞれの行の説明します。

4行目は、キャラ設定に関する情報が納まっています。
［　キャラAスプライト番号,　キャラAボイス音周波数,　キャラBスプライト番号,　キャラBボイス音周波数　］

キャラAは向かって左、キャラBは向かって右のキャラです。
スプライト番号は、プリセットの2544~3143までの、人やモンスターのキャラを使うことが前提になっています。
それ以外を使っても動作はしますが、位置やサイズがヘンになる組み合わせもあるので、苦労することになるでしょう。
（でも例えば、2073:ピアノと、2074:ギターの漫才なんてのも、シュールで面白そうですね）
プリセットのスプライトキャラの向きは様々です。漫才なら真正面向き、コントならお互い向き合うタイプを選ぶと、それっぽくなります。

ボイス音周波数というのは、BEEP命令における周波数のことです。0で標準で、大きければ高い音、マイナスにすれば低い音になります。
プラスマイナス2000の範囲で指定するのが効果的だと思います。

6行目は、舞台効果に関する情報が納まっています。
［　BGM番号,　前後エフェクト　］

BGM番号は、プリセットBGM番号（0~42）に準じますが、-1は特別で、BGMなしという指定になります。
4・5・6はループじゃない曲（ジングル）なので、使うと開始時だけ鳴って、あとは無音となります。

前後エフェクトは、漫才の前後をどういう演出にするか？という指定で、0を指定すると漫才風（出入り）、1を指定するとコント風（フェード）になります。

8行目は、様々な色に関する情報が納まっています。
［　背景カラー,　文字カラー,　ボックスカラー　］

それぞれそのままの意味ですが、ボックスカラーのボックスとは、文字の後ろに表示されている長方形のことです。
ボックスは文字を見やすくする目的の他、キャラが立つステージにも見立てています。
色の指定に「#」で始まるカラー定数（#WHITEなど）は使えません。なお、ボックスだけは、透明度の指定も有効です。

・会話データ部分
※会話データ部分の各項目については、サンプルのまんざいファイル「MDATA_SAMPLE5」でも説明しているので、参考にしてください。

13行目以降の会話データは、1行につき以下の構成になっています。
［　対象キャラ番号,　感情番号,　表示時間,　テキスト　］

対象キャラ番号は、0が向かって左のキャラA、1が右のキャラBが対象になります。2なら、ふたり同時の同アクションを行います。

感情番号は、しゃべりながら行うアクションの番号です。
・0：ノーマル（アクションなし）
・1:喜ぶ（左右にユラユラと揺れる）
・2:怒る（軽くピョンピョン跳ぶ）
・3:震え（左右に小刻みに動く）
・4:うなずく（軽く傾いて戻る）
・5:コケ（大きく傾いて戻る）
・6:つっこむ（パッと相手に向かってから戻る）
・7:おどろく（大きくピョンと跳ぶ）
・8:ぎもん（ごく軽く傾いて戻る）

表示時間は、1文字を表示する時間で、単位は1/60秒です。5が標準的なスピードだと思います。
つっこみのセリフの場合は2か3にしてやると、勢いが出て、それっぽくなります。

ちなみに、「_MANZAI_EDIT」で変換したばかりの「まんざいファイル」だと、例えば以下のように指定されています。

0,0,5,あつはなついねー
1,0,5,なつはあつい、でしょ！

このままでは漫才というより、ただの盛り上がっていない会話ですね(^^;)。これを、

0,1,5,あつはなついねー
1,6,2,なつはあつい、でしょ！

なんて感情や時間を調整すると、グッと漫才っぽくなるわけです。

ちなみに13行目以降の会話データ部分は、無駄な改行があっても無視する仕組みになっています。
話題が変わるところや、ポイントになる部分などにカラの改行を入れると、編集作業的に見やすくなるでしょう。

「まんざいファイル」の調整が終わったら、保存するのを忘れないでください。
保存せずに「MG_MANZAI」を起動すると、せっかくの調整が消えてしまいます（警告ダイアログが表示されますが）。

■「まんざいファイル」の公開
完成した漫才（またはコントなど）は、もちろん自由に公開してください。
「まんざいファイル」だけを公開してもいいですし、プレイヤーとセットにしたプロジェクトで公開してもOKです。
その際、改造したプレイヤーでも構いませんが、プレイヤー自体を「自分で作った」などと空しいウソをつくのは、絶対にやめてくださいね。

あと、公開するのであれば、演目内容にも充分配慮してください。
イヤらしいものや、グロテスクなものは、御大に怒られるだけではなく、自身の評判も落としかねませんよ？
仲間内で見せるだけでしたら、自由ですけどね。

■さいごに
サンプルの「まんざいファイル」でも示したとおり、「漫才プレイヤー」という名前ですが、漫才以外の表現も可能です。
解説ムービーにしたり、ドラマを演じさせたりと、幅広く使えるのではないかと思っています。
プレイヤーを改造して、例えばファイルを再生後に、分岐ダイアログを表示させ、それ次第で次のファイルを決める…とすれば、アドベンチャーゲームにもなるわけです。…簡単に、とはいかないと思いますが(^^;)。

もちろん、普通に面白やりとりを作るだけでも、充分に楽しめるハズです♪

ご覧いただき、ありがとーございました！

作者：まげ

初　版：2016年2月9日

(C)MAGE/StudioLOVEMARINE